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やさしさの記憶

- もしもあなたがなにもかも失ったと感じるようなことがあったとしても、ずっと味方でいるよ -

君康 友紀

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兴趣
悪の華【1857年版】
地獄の季節
ヴェルレーヌ詩集 (新潮文庫)
ヴァレリー詩集
アポリネール詩集
ユゴー詩集
コクトー詩集
失われた時を求めて
日々の泡(うたかたの日々)
ペスト
作者 
従妹ベット
さかしま
カンディード 他五篇 (岩波文庫)
ナジャ
シルヴェストル・ボナールの罪
テレーズ・デスケルウ
心変わり
アフリカの印象
火の娘たち
ムッシュー・テスト
ノディエ幻想短篇集
カストロの尼
少年十字軍
悪魔のような女たち
孤客―ミザントロオプ
フェードル;アンドロマック
シラノ・ド・ベルジュラック
繻子の靴
勝負の終わり/クラップの最後のテープ
トスカ
孤独な散歩者の夢想
シーシュポスの神話
存在と無
パンセ
エセー
箴言集
恋愛論
ジョナサンと宇宙クジラ
ノヴァ
夜の翼
闇の左手
ニューロマンサー
世界の中心で愛を叫んだけもの
アルジャーノンに花束を
百億の昼と千億の夜
作者 
1984年
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
ゲイルズバーグの春を愛す  ハヤカワ文庫 FT 26
ショートショート傑作選
作者 
スローターハウス5 (ハヤカワ文庫 SF 302)
タイタンの妖女
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)
バトルフィールド・アース
パプリカ
作者 
ポーの一族
冷たい方程式
地球の長い午後
夏への扉
宇宙戦争
宇宙船ビーグル号
完全な真空
幼年期の終り
星を継ぐもの
時間のかかる彫刻
果しなき流れの果に
海底二万里
渚にて―人類最後の日
火星年代記
2009/11/20

けさ目覚めたときに

長い長いあいだ
忘れていたもの
 
けさ目覚めたときに
なぜだか脳裏にそれがよぎった
 
あわてて思い出かき集め
なにかを取り戻すかのように
ページをめくり始める
 
懐かしくいとおしい面々
ふざけあい支えあい
いつだって一緒だった
 
いま頃どうしているのだろう
こうしてみんなもときどきは
思い出しているのだろうか

 
ずっとずっと
思い出さずにいたもの
けさ目覚めたときに
アルバムのままの笑顔が浮かんだ
 
いま頃どうしているのだろう
変わらず元気でいることを
変わらずみんなをいとおしく思っていることを
伝えたい
 
長い長いあいだ
心の隅にあったもの
2009/11/17

束の間

*                           。         。
           。             。 
      。           。      
 。              
         。                       
  雨粒は 。
          。             。
     思っていたよりも
                              。
   。         。
   ずっとはやく訪れた秋を  
    。         。               。  
   
       。        。      
                       。                。
                         いちだんと深める
                                 
 
                。          *
        雨音のここちよい律動は 
。                  。         
          。
                。                
             。
    。            。
            。
                      *
         。        。                 
    やがてわれを襲う孤独を    
。                                            
  。 。      
       。                               
                          束の間忘れさせる
     。              。
             。                         
      *                             
             ずっとそばにいたいと告げてくれたあの人の
                                              
                           。
            。                        
                      。
              。                               
                         *
        口癖もかき消すほどに

ありふれた後悔

 
悠久の時の流れに
夥しい死と生が繰り返され
季節は廻り
明日はやってくる
広大な原野で
立ったまま眠るシマウマを
息を潜め狙う飢えた眼光

退屈を嘲笑うのは
悪意という名の秩序
我が宿世に屈する道のみが
眼下に拓かれる

血塗られた挑戦状に
おののき
行き場の失った気概が
魂を売り渡す

甘美な記憶と
引き換えに
 
2007/8/8

現の夢

 
僕には見えてしまう
ふたりの終わりが

永遠を信じきれるほど
若くないが故に



僕には捨てきれない
ふたりの記憶を

信じることは愚かだと
認めたくないが故に
 
2007/8/4

かつての明日

 
目覚めたときには
終わっていた
今日の始まり

現(うつつ)と空(うつ)ろの間を
当て所(ど)なく彷徨い
かつての賞賛に酔いしれる

繰り返される日常に
よく似た明日
光陰を惜しむ夜

叶わぬなら
暁天の星すら愛(いと)おしい
雲を掴むような
かつての明日

 
2007/8/1

今日は目覚めたときから、

 
きみのことばかり考えていた

きみは今なにをしているのだろう
きみは僕をどう思っているのだろう

きみはどんな声をしているのだろう
きみはどんな笑顔なのだろう

きみは元気だろうか
きみは幸せだろうか


きみと見た朝焼けに照らされた鱗雲は散り
どこまでも広がる青空

こんなによく晴れた日は
きみと出かけられたいいのに

きみはどんな一日を過ごすのだろう

ぼくはこんな一日を過ごしているよ
 
2007/7/25

傑作「清く恋しく、美しく」★★★★★

7/23に最終話を配信開始し、ようやく全編公開し終えた「清く恋しく、美しく」は記憶に残る傑作WEBドラマだった。

http://streaming.yahoo.co.jp/p/t/00031/v01892/

 映像、脚本、音楽、どれも上品でこの作品の世界を作り上げている。

 ウスイヒロシ監督はスキマスイッチや東京事変、サザンのPVでアーティストの個性を引き出す映像を作ってきたが、「清く恋しく、美しく」は彼の魅力の集大成となった。

 この素敵な青春群像劇を形容するのは難しい。
敢えて譬えるなら「大和和紀が現代の高校を舞台に描いたような作品」となるだろうか。

 恋愛古典文学「伊勢物語」をうまくモチーフとし、嫋やかな乙女の理想と揺れる恋心を繊細に描いている。漫画や映画にありがちな強引な展開は一切なく、派手さには欠けるが、読後感の爽やかな青春小説のような瑞々しさを湛えている。

 とりわけ、最終話での夏子の「知らなかった」に続く台詞は秀逸。映画「明日の記憶」で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞しただけあって三浦有為子の脚本はとても素晴らしい。

9/30までの限定配信なので、早めにこの佳作もぜひ堪能してほしい。

[作品解説]
今や都市伝説としてその存在はベールにつつまれている女子高生7人の美少女サークル「Lovable Girls~通称『ラブラ部』」を舞台に繰り広げられる、ポップでファンタジックなラブコメ。ふとしたことで「ラブラ部」に入部してしまったフツーの女子高生・里桜(りお)と、皆の憧れの存在である「ラブラ部」部長、夏子。二人のひと夏の恋のエピソードを通じて描く、楽しくも切ない、女子高生たちの恋と友情の物語。10代の青春を応援するプロジェクト「TEENS HAPPY PROJECT ~ ドキドキが10代を面白くする~」作品。

[キャスト]
小早川里桜:徳永えり 遠野夏子:倉科カナ 白鳥楓:江澤璃菜 アンジェラ・ハル:加賀美セイラ 藤代舞:佐藤葉子 藤代唯:佐藤杏子 中村樹:兼子舜 三上雷太:窪田正孝 風間冬香:悠城早矢
ちなみに主演の徳永えりはFLaMme所属。広末涼子/戸田恵梨香/山口紗弥加/有村実樹と僕の好きな女優のほとんどはここに所属してる。

<関連リンク>

●僕がこれまでで観た中で最高のオールタイム・ベスト1のTVドラマである、「LIAR GAME(ライアーゲーム)」が早くもDVDで発売してた。
これは家宝もの。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000TG6JFK%3ftag=memoryofgentl-22%26link_code=xm2%26camp=2025

●蒼井優主演のどこか懐かしくて愛おしい超短編映画「ことのは」
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/movie/



7/26夕~7/29昼まで久々に帰省。
横浜から札幌に引っ越して以来、
毎年夏の地元の花火大会を母や兄と
観るのが恒例になってるからね

http://kimiyasu.spaces.live.com/blog/cns!68A71F1CBD5E9046!2492.entry

追伸:

3年前に横浜から引っ越すことで見送ってくれたり、お別れによくしてくれたたくさんの友人へ

みんなのおかげで、札幌生活を無事3年を迎えることが出来ました。
辛いことがとても多い3年だったけど、みんなの励ましやお祈り、友情の支えがあって、
こうして元気でいられます。ほんとうにありがとう。


最後に、途中、力強く応援してくれたかつての恋人へ

いつまでもあなたの好意は忘れません。

神の見えざる手

Date: 21 Jul 2007 13:34:39
Subject: 神の手

こんにちは!お久し振りですね~びっくりしました!
元気にしてますか?
正直私はあれからどの位経ったのか忘れる位
日々過ごしてました。

(中略)

台風が過ぎ去った沖縄の空の雲の隙間から
神の手が現れ太陽が現れたのです。

神が太陽を運んで来たようにも…
雲を開いてるようにも…
まさに神の手です

☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆


きみに2年半ぶりに送ったメールの返信は、
不思議な結びだった。

そこに書かれてあるように、
たしかにこの写メはそのように見える。


まるで、ぼくときみとのこのやりとりさえも
すべては神の手の内にあるかのようだよ。


ふと、きみの顔が浮かぶことがあったんだ。
あの頃、毎晩、どこかの店に二人で入っては
夢を語り合っていたね。
カラオケにケーキにラーメンにパスタにステーキに。

きみの誕生日に、めずらしく飲み過ぎたぼくは
酔って怪我をして、ずいぶんと心配かけたね。


そして、あの最後の日。
いつものように徹夜で語り明かした後の、
粉雪の降るススキノの朝。


「…もう、逢わないようにしよう」

「そうね。…ごめんね。気づかないふりしてたの」

「わかってたさ」

「いつか、夢かなえるから。
 そのときには、会ってお祝いしてくれる?」

「もちろんさ。覚えておくよ」



ふと、きみの顔が浮かぶことがあったんだ。
そんなときは、なぜだか、去年のドラマの主題歌が
頭の中で流れるんだ。



「さよならは別れの言葉じゃなくて

 再び逢うまでの 遠い約束…」



まるで、ぼくやきみが描いた夢のゆくえさえも
すべては神の手の内にあるかのようだよ。 
2007/7/24

小西康陽さん選曲の渋谷系コンピ発売

ピチカートの小西康陽さん選曲で、
渋谷系シーンを総括する2枚組コンピが
8月8日に発売されることが決定!
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000SNUP4A%3ftag=memoryofgentl-22%26link_code=xm2%26camp=2025

まずこのジャケ最高!
フリッパーズFANなら分かるこのジャケ。
担当は もちろん信藤三雄。

選曲もさすが。
オリジナル・ラヴ、フリッパーズ・ギター、小沢健二、ピチカート・ファイヴ、カヒミ・カリィ、ラヴ・タンバリンズ、カジヒデキ、サニーデイ・サービス、Fantastic Plastic Machine、ラヴ・タンバリンズ、二ール&イライザ、oh! penelope・・・。
 
眩暈がする。

目玉はなんといっても、パーフリ作の
渡辺満里奈「大好きなシャツ(1990旅行大作戦)」

題名はヘアカット100「好き好きシャーツ」の引用と
すぐ分かるあたりが渋谷系そのものだと思う。

ちなもに、日本コロムビアの音源が約半数を占めたのは、
さまざまな制約がある事情によるとのこと。
 そういえば大好きなROUND TABLEが入ってないし、
東芝EMIからコロムビアに移籍したのは2005年だから収録難しかったのかもしれないが、
キリンジ・馬の骨(堀込泰行)・堀込高樹が入っていないのは残念だ。

 また、音楽的には違うかも知れないが、
スチャダラパーやTOKYO NO.1 SOUL SETは外せないとは思うのだが。

 とはいえ、渋谷系を知らない世代が体感する上で最高の1枚になることは間違いない。

以下、収録曲

DISC-1:


01. BODY FRESHER/オリジナル・ラヴ
1988年アナログ「ORIGINAL LOVE』収録(JALA JALA Records)
2000年CD「ORIGINAL LOVE」収録(wonderful world)

02. 恋とマシンガン/フリッパーズ・ギター
1990年 アルバム『CAMERA TALK』収録(ポリスター)

03. 大好きなシャツ(1990旅行大作戦)/渡辺満里奈
1990年 アルバム『a piece of cake!』収録(ソニー)

04. トゥイギー・トゥイギー/ピチカート・ファイヴ
1991年 アルバム『女性上位時代』収録(コロムビア)

05. MIKE ALWAY’S DIARY/カヒミ・カリィ
1992年 シングル「Mike Alway’s Diary」収録(クルーエル)

06. Love is Here~ Just Between You And I~/ラヴ・タンバリンズ
1993年 マキシ・シングル「Cherish Our Love」収録(クルーエル)

07. ジャズる心/les 5-4-3-2-1
1993年 ミニ・アルバム『un』収録(コロムビア)

08. 我が名はグルーヴィー/ピチカート・ファイヴ
1993年 アルバム『BOSSA NOVA 2001』収録(コロムビア)

09. BOND STREET/les 5-4-3-2-1
1994年 V.A.『トリビュート・トゥ・バート・バカラック』収録(コロムビア)

10. GOOD MORNING WORLD/カヒミ・カリィ
1995年 シングル「GOOD MORNING WORLD」収録
(ポリスター)

11. メロディについて/カヒミ・カリィ
1995年 V.A.『ゲンスブール・トリビュート ‘95』収録(コロムビア)

12. Let's Fly The Ad-Baloon/Oh! Penelope
1996年 シングル『SEASIDE NOW!』収録(ソニー)

13. BOSSA NOVA NO.9/トーキョーズ・クーレスト・コンボ
1993年アルバム『TOKYO’S COOLEST COMBO IN TOKYO」収録(コロムビア)

 

DISC-2:


01. baby blue/サニーデイ サービス
1997年 アルバム『SunnyDayService』収録(ライム)

02. L'aventure Fantastique/ファンタスティック・プラスチック・マシーン
1997年 アルバム『ザ・ファンタスティック・プラスチック・マシーン」収録(コロムビア)

03. ノー・ラヴ・ソング/猫沢エミ
1997年 マキシ・シングル「バロット」収録(コロムビア)

04. 25140/二ール&イライザ
1999年アルバム『JUILLET」収録(エスカレーター)

05. Love so fine/マンスフィールド
2004年 アルバム『MANSFIELD Popp』収録(readymade international)

06. ジェニーはご機嫌ななめ/ハイポジ
2000年 シングル「ジェニーはご機嫌ななめ」収録(コロムビア)

07. mississippi one/キュビズモ・グラフィコ
1999年 アルバム『Tout!』収録(エスカレーター)

08. an apple a day /bice
2001年 アルバム『Nector』収録(徳間ジャパン)

09. いいじゃないの幸せならば/夏木マリ
1998年 シングル「いいじゃないの幸せならば」収録(コロムビア)

10. フローラル・エクスプレス/前園直樹
2003年 ミニ・アルバム『ほほえみがとまらない』収録(コロムビア)

11. GROOVE TUBE/meg
2003年 シングル「GROOVE TUBE」収録(ワーナー)

12. 大人になれば/小沢健二
1996年 アルバム『球体が奏でる音楽』収録(東芝EMI)

13. これから逢いに行くよ/スムースエース
2004年 シングル「これから逢いに行くよ」収録(東芝EMI)

14. ささやかだけど役にたつこと/カジヒデキ
1996年マキシ・シングル「MUSCAT e.p.」収録(ポリスター)

しかも、ライナーノーツも小西さんが詳細に
選曲から、当時のことまで解説してるとのこと。
 
これはもう待ちきれない。 
2007/7/20

あの言葉

 
曇った窓ガラスに
指でなぞるも
慌てて拭いて消した

言えないままの
あの言葉
 
 
いつしか偶然出逢ったなら
勇気を出して伝える
そう誓いながら
 
 
意を決して
メールを打つも
どうしても送信ボタンを
押せないままの
あの言葉
 
 
いつしか奇跡の再会をしたなら
素直に迷わず告げよう
そう誓いつつ
2007/7/17

心模様

 
とまどいは嵐
吹き荒む風にのせて
 
もっと激しく
雨よ
 
愚かしいこの想いも
流しておくれ
叫べば思わず
湧き上がる滑稽さ
 
なんと
変わり果てたのだろう
 
 
過ぎていくのは
この雨や風だけではなかった
 
昨夜の月さえ
遥か彼方
 
2007/7/16

オレンジ

 
いつの間に
笑い方を忘れ
 
いつの間に
自信を失くした
 
取り戻すもの
取り戻せるもの
取り戻せないもの
 
ひとつひとつ
探し当てる
 
 
夕暮れのオレンジは
いつかの憧憬

待ちぼうけを食ったのは
いつかの笑顔
 
2007/7/13

言葉によってロマンスは生まれる

 
 
 
「私達、自分で問題を複雑にしてるわね」

出会ってからわずか数時間。
会話を重ね、互いに心惹かれ合い、想いを募らせた二人の
胸の高鳴りが爛熟した瞬間、セリーヌが口にしたこれこそが、
この恋の美しさを象徴している。

旅先で出会った二人がそれぞれの元へ帰るまでのわずか14時間。
偶然出会った若い男女が幾重にも会話し続け、
夜通しウィーンの街を漫ろ歩き、翌朝別れる。
映画らしい派手な出来事や目紛しい展開は一切無い。
しかし、この14時間は二人にとって、そして映画を観た者にとって、
永遠のものになりうる。
それはきっと、思いを残したまま、綺麗な思い出だけで終わるのは
耐え難い辛さであると悟らされるからであろう。

ロマンティックな設定にもかかわらず、ドキュメンタリーのような
リアリスティックを感じるのは、監督の実体験を元に作られた脚本である点と、
主演の二人のナチュラルな演技による。

石畳の続く美しい街並みを夜通し散歩し、店に入り、夜明けには空を眺め、
別れの朝に、チェンバロの演奏をしている家の前でチークダンスを踊る。

しかし、それらは添え物に過ぎない。
あくまで主役は二人の遣り取りである。

言葉によって、ロマンスが生まれた。
僕はそこに美しさを感じる。

出会いで意気投合したものの、湧き起こる疑念や不安ゆえにわざと刺刺しく振る舞い、
ぎこちない。それでも互いに少しずつ自分をさらけ出し、思いの丈を直向きにぶつけ合う中で、
急速に関係は進行していく。視線を感じながらも目を逸らす仕草が瑞瑞しい。
育った環境も慣習も違うからこそ、信条や価値観を開示しあいながら、理解し合おうとする。
そのように、持てるもの全てを見せ合うほど濃密な会話だったからこそ、
いかに気が合い、心が自由になれる存在であるかを互いが悟り、離れ難くなっていく。
本当の恋を見つけたときのあのときめきに至る過程が、繊細に描かれている。

恋愛の結末は観た人の想像に委ねられているが、
続編「ビフォア・サンセット」は9年後にそのまま9年後の設定で
同じキャストと監督で製作された。
観ればきっと、まるで実の友人の恋の成り行きを見守っているかのような気持ちになれる。

互いの母国語が通じない異国の街での出会い。しかも相手は異国の異性。
時間や距離や言葉など制約された条件や状況があるからこそ、燃え上がる。
それが恋の魔法なのかもしれない。

どんなに離れていても、逢えないまま時間だけが過ぎていっても、
恋は恋のままであり続けることは出来る。
その想いがほんものであれば。
恋することにこれほど希望を抱かせる映画を他に知らない。

僕は台詞を暗記するほど集中して観るので、同じ映画を二度以上観ることはほとんどない。
でもこの映画は特別。何度観ても新しい発見がある。

誰かと価値観が合うか否かの試金石として、本作の感想を訊くのはお誂え向き。
僕は、この映画に酔える人と、この映画の二人のように語り明かしたい。
2007/7/11

本歌取り―百種の言

 
あなたと別れてからこれまでの間、
自分の感情と向き合い、
身の振り方を追究してきた。

“どうすべきか”ということは分かっている。
問題は“どうしたいか”だ。

         その答えには、疾っくに気づいている。
         自分の心は決まっている。

***********************

僕があなたの心を盗んだのは、
まさに畢生の大業と呼ぶに相応しい、
ウルトラCの奇跡だったね。


“もう誰も愛すまい”と
あれほどまでに固く閉ざしていたその心を、
まるで飢えた猛禽がヒヨコを仕留めるように
僕はまんまと奪い取った。


それがあまりにも首尾よくできたものだから、
どこかで僕は慢心していたのだろう。

僕があなたをこんなに愛しているのだから、
あなたも同じに違いない。
つきあってからはいつも、その確信があった。


相手を信頼すること自体は良いことだが、
いつしか初心を忘れてしまった僕は、
あなたを愛するだけで満足してしまい、
(大きな意味で)守る意識が欠けてしまっていた。


相手が何を思い、考えるかなんて、
僕が制御できるものでもないし、
またそうすべきではない。

相手に期待することと、
自分の理想を押し付けることを
混同してはいけない。

相手の心境や状況をよく見極め、
更に広い視野と心で英断し、
どんな時でも相手を守り抜く。
そのためになにができるかを常に考える。


他にも反省点はあるが、
今になってそうしたところで、
あなたに充分にしてあげられなかった過去も、
あなたの心を取り戻すことも
できないという現実を受け入れること。

それこそが、
“どうすべきか”の答え。


それを見て見ぬ振りをしても、
仕方がない。


それでも、
“どうしたいか”について決められるのは、
紛れもない、自分自身。


         その答えには、疾っくに気づいている。
         自分の心は決まっている。


***********************


それは、あなたが僕を好きになる直前まで
抱いていたものと同じ。


“もう誰も愛すまい”と
誰からも固く閉ざすこと。


これが、数日前に出した、僕の答え。



僕があなたを抜け出させたそこへ、
今度は僕が行くことにしたよ。


かつてあなたの部屋だった場所は、
あなたがかつてここに来たこともあった、
という記憶だけを残し、
廃墟にされたバビロンのように、
今もまだ、家具ひとつないままだ。

閉めることの無いカーテンが、
真冬のヨーロッパの落葉樹の下で
落ち葉に埋もれながら俯きながら咲く
クリスマスローズのように、
寂しげにカーテンレールにかかっているだけ。


春になったら、
部屋の窓を空け、風に乗って
舞い込んできた桜の花びらを
便箋いっぱいに詰め、
あなたに贈ろう。


伝え切れない言葉と思いの代わりに、
桜の花びらを
便箋いっぱいに詰め、
あなたの元に届けよう。




以上、万葉集8/1456~1457の藤原広嗣と娘子の贈答歌と、山崎まさよし 「One more time,One more chance 秒速5センチメートル Special Edition」のPVの本歌取り
2007/7/10

ずっと探していた

先日、山下達郎の番組で
ソング・ライター、JERRY RAGOVOYの特集をしていた。
・ストーンズ「TIME IS ON MY SIDE」
・ジャニス・ジョップリン「CRY BABY」
・ジャニス・ジョップリン「PIECE OF MY HEART」
・THE MAJORS「A WONDERFUL DREAM」
等等を作曲したらしい。
随分マニアックな人を偏愛しているなと思ってたら、
不意に、「ステイ・ウィズ・ミー」がかかった。


泣いた。

十年以上前のこと。
ピーター・バラカンの番組でかかった一曲に
感動のあまり号泣した。
曲が終わった後に紹介された歌手名と曲名を
慌ててメモを残した。 

 Lorrain Ellison 「Stay with Me」

それ以来、一度も聴くことは無かった。
CDは輸入版のみで既に廃盤。
中古市場ではかなりの高値がついていた。
ロッド・ステュワートがカバーしていたが、
感動はなかった。

同様に、子供の頃に聴いて泣いた曲は5曲。

1.プロコル・ハルム「青い影」
2.B.J.トーマス「雨にぬれても」
3.カーペンターズ「遥かなる影」
4.スパイラル・ステアケース「モア・トゥデイ・ザン・イエスタデイ」
そして、ロレイン・エリソン「ステイ・ウィズ・ミー」

どれもリアルタイムではなくオールディーズなので、
曲名が判明したのは、ずっと後になるが、
頻繁にかかるスタンダードなので、
比較的簡単にCDも入手できた。
ロレイン・エリソンを除いては・・・・

あらためて調べてみたら、
新しい輸入盤がAmazonで入手できるらしい。
少々高いけれど、
同じく1万以上のプレミアつけてる他の盤と違い、
3枚組65曲だし、これはマスト。
しかも「Stay with Me」はMono Single Versionで収録されている。
 
2007/7/9

陥落への誘い

悪魔に魅入られた?
それならそれでいい
 
あんな気持ちになれるのなら
悪くない
 

忘れじの
束の間の閃光
2007/7/7

自己矛盾


大人になんて
なりたくなかった
運命を甘受できるような
暁知ある
大人になんか
 
子供になんて
戻りたくはない
あなたに出逢う前の
無知の知だった
子供になんて
 
2007/6/30

欲望と理想の狭間で

何日かぶりに
まだ暗いうちに眠れた。
珍しく、
目覚める直前にみていた夢を
覚えていた。

見たのはあなたの夢だった。
忘れていたはずの
あなたの夢を見て、
しかも幸せな気持ちにさえ
なっていたことに
少なからずショックを受けた。

あなたを求めはしない。
あなたは永遠に誰のものでもない。
あなたもそう決めている。
だから僕もあなたを忘れることにした。
あなたも僕を忘れることにした。

しかし気づいてしまった。
承認欲求の誘惑。
あなたに愛されたい。
やはりそこからは逃れられない。

愛してはいけない。
しかし愛されたい。
相剋しあう欲望と理想の狭間で
煩悶し続けた日々。

あの苦しみは
やはり自分自身であった。

今更前言撤回するつもりはない。
だから、この苦しみと
向き合ったまま
生きていくことにしたよ。
2007/6/20

2005年12月のリンク集が懐かしい

このブログの2005年12月のキャッシュを拾ってみたところ、
懐かしくて涙がでそうになった。
 
せっかくなので、ここに再現。
(当時は今よりずっと表現が稚拙で恥ずかしいものばかりでしたが・・・。)
もし、これを見て、「懐かしい」と思ってくださった方がいたら
感想をきかせてください。
 

「トラバさせて頂いたblog」
 
うつくしい日本のわたし
サオ-missrainさん(短歌・日記:情熱的に綴られたコトノハが美しいです) 

pure
❤凛❤ さん(詩・日記:優しい人柄を感じされるハートウォームな空間です) 

アナタノムネニ
納豆唐揚 さん(エッセイ:言葉の感性が天才的に鋭いです)

星海月光桜風
澪音 さん(詩・日記:ほのぼのした内容で元気をもらえます) 

Love 第4章
MYU★*:. さん(日記:情熱的な恋愛ができる女性です) 
 
♡ ALL OF Sakura ♡
さくら さん(日記:飾らない文章にほっとします) 
 
かめ日記
おかめ1号 さん(日記:毎回めっさ笑わせてくれます。音楽と本の趣味が似てます) 
 
菊池木乃実の日々
菊池木乃実 さん(思想・哲学:スピチュアルで深くて、多くの気付きが得られます) 
 
鮎月 鈴音の日々★
鮎月 鈴音 さん(詩・日記:瑞々しい感性が紡ぐ詩はとても深いです) 
 
自分を探す旅 見つめ直す旅
しょう さん(エッセイ:読む度に考えさせられます) 
 
伝統のひろし
まるまる ひろしさん(日記:読むと楽しい気分になります) 
 
◆ボクの革命人生◆
ビック★ふじ さん(詩・箴言:大きな夢を持った生き方に惚れます) 
 
わたしのこころにふれてください。
こころ、さん(日記:切なさに心動かされます) 
 
5ヵ年計画
rissa100 さん(エッセイ・日記:最後の質問で考えさせられます) 
 
In my place, in your place
NO ONE さん(エッセイ:音楽と料理のセンスが素晴らしいです) 
 
Life is so cool
Arisa さん(日記:話題が豊富でインターナショナルです) 
 
映画千夜一夜
まり さん(エッセイ:お金を払ってでも読みたい映画評論集です) 
 
志あるならば果敢に
伊那杜 結右 さん(詩・エッセイ:広い視野と高い志があります) 
 
++かみさまのボート++
emv_vme さん(詩・エッセイ:感性の豊かさに驚かされます) 
 
⊹⊱✿✿♡♡Sweet berry♡♡✿✿⊰⊹
ゆかこ♡ さん(可愛いblogの代名詞です) 
 
blue sky cafe
hiroto さん(エッセイ:スピリチュアルで癒されます) 
 
きみに。
asobo33 さん(一行詩:空の写真と言葉のコラボが見事です)
 
 
「サイト!サイト!サイト!」
 
Field Of Dreams
Terashi さん(小説・エッセイ:独自の視点で書かれている内容に引き込まれます) 
 
⊹⊱✲美的 tender-hearted✲⊰⊹
夏水 さん(エッセイ、日記:透明な朝の空気のような文体と写真が織り成す優しい空間) 
 
ふわふわりo(´・ェ・`)o
天花 さん(詩、エッセイ:繊細で優しくて、心に沁みます) 
 
Chamomile☆ Time
Chamomile☆ さん(詩:煌めく表現がちりばめられています) 
 
BARTENDER Assh 『考えの断片』
Assh ∞ さん(エッセイ、日記:考え・感覚への深い考察が知的好奇心を刺激します) 
 
GURIKOの心模様
GURIKO さん(日記:赤裸々に綴っていて、伝わります) 
 
りんの流星群
流れものりん さん(詩:抜群の才藻にノックアウトです) 
 
海にかかる月
海にかかる月 さん(エッセイ:説明不要。僕の心を奪う一厘の風) 
 
Lunatic Voice
luna さん(詩:ロマンティックな愛の言葉に陶酔します) 
 
✿❀✿ Heart Place ✿❀✿
ღMamiღ さん(エッセイ、日記:かわいらしさにあふれています) 
 
☆mimiの小箱☆
mimi さん(エッセイ:人を好きになることの喜びを教えてくれます) 
 
.:*・✿ ✿.。.:*(◕‿◕*):*・✿ ✿.。.:*・
恵実さん(日記:考えがしっかりしていて、共感することも多いです) 
 
一緒に歌ってくれませんか
yuka さん(散文詩:ほとばしるメロディと共に紡ぎだされた欠片が胸を突き刺します) 
 
月の光に 照らされて
Gerund_and_infinitive さん(エッセイ:美しいフォトで言葉をヴィジュアライズさせています) 
 
きよらっぱ
きよ さん(エッセイ:恋のときめきで埋められた甘いチョコレート) 
 
bipbop_linkの日記
ビップ さん(日記:singer Shujiの魅力満載です) 
 
心散歩--ゆめ日記
ゆめ♡♡さん (唄、日記:大切なものを見極め、反応する心の柔和さに溢れています) 
 
デビと私の日々
えり さん(エッセイ:優しい彼との関係や日常から気付いた大切なものが、読む者に感動を与えます) 
 
『花のような君』Blog
渚 百合香 さん(恋歌:様々な恋模様にうっとりします)  
 
忘れたくない日々。
☆Sato2005 さん(日記:切なさと感動があり、共感できます) 
 
*:.。. .。.:*・゜゚・゚+.゚美穂です゚+.゚*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。.
美穂 さん(日記:大人なところと子供のままのところが見られます) 
 
*:・゚'☆眠れる杜から・:*:・゚'★.。♪ 
★☆93MR☆★ さん(日記:一緒に自分探しがしたくなります) 
 
つながってるよ
おひつじちゃん さん(日記:ほのぼのとしていて温かくなります) 
 
ブルースパワー
7hot-cream さん(エッセイ:音楽や短詩が共感できます) 
 
1日1度は阿呆になるために。
Thirst さん(日記:青春を謳歌して楽しそうです) 
 
forget me not・・・素直な心で
⊹⊱✲forget_me_not✲⊰⊹ さん (日記:恋にも仕事にも真剣で素敵です) 
 
ぴよきちのココロ
ぴよきち さん(エッセイ:人生を深く捉えていて、学びます) 
 
築こう心に平和の砦!100人実行委員会
青柳仁 さん(エッセイ:崇高な愛を若者に伝えています) 
 
○●●My 3N Life-No job No money No man-●●○
Ayami さん(日記:紫で施した溜息混じりの叙事詩) 
 
峠の茶屋
☆うし さん(日記:北海道の大自然に心が洗われます) 
 
自由自在?
Zai さん(詩:ワンアンドオンリーの言葉の魔術です) 
 
♥あま~い(◡‿◡✿) 気持ち♥みなみ
みなみ さん(日記:完璧主義で上昇志向のとこ、共感しきりです) 
 
こころ
cocolo さん(エッセイ・哲学:生きるうえで何が大切かを学びます) 
 
冥王星小物語
スターカッスル さん(詩物語:ファンタジー好きなのがよく分かる、彼が十代に作った物語集です) 
 
セラピールーム インナーブライド
やっちぃ さん(アート:パステル画を描くと癒されます) 
 
ダイエットで夢をつかめ!!(>人<*)
S☆RA さん(日記:つい応援したくなるような努力家です) 
 
好き好きインテリア
yuuichi28(祐一) さん(エッセイ:ロマンティックで人間味に溢れています) 
 
One Fine Day 僕は…
はんドク☆候補生 さん(日記:心をありのまま真っ直ぐに表現しています) 
 
Absolutely Tomoching!
tomoching(chavele) さん(エッセイ:あまりの博識ぶりに舌を巻きます) 
 
未来の色は何の色?
Dali190405 さん(日記:あまりの面白さについ時間を忘れます) 
 
☆ Salsa Lovers 集まれ~ ☆
☆norinori☆ さん(日記:楽しそうで羨ましくなります) 
 
⊹⊱♡✿人魚の夢✿♡⊰⊹
♡人魚♡ さん(エッセイ:優しい気持ちになれるメッセージをかわいく綴ってます) 
 
詩と映画の世界 「日常からの脱輪」
のりち子 さん(詩:瀟洒な表現で、心理描写も巧みです) 
 
ハートで感字るブログセラピー
てっと君 さん(エッセイ:漢字から感じた話に癒されます) 
 
風の中のふたり ・・ツーリングレポート
yuki&kai (日記:出あって7ヶ月でゴールインしたカップル。幸せそのものです)

・・・ね、懐かしいでしょ?

2007/6/3

ほんとはずっと

 

            1


 思わず目を逸らした。
 いつもの悪い癖だ。
 
 思いも寄らず視線が合うと
 反射的にしてしまう。
 
 きみの表情からは、
 僕がそこにいることへの驚きと、
 「元気?」と訊ねているのが、
 一瞬のうちに読み取れた。
 
 予想外のきみの反応に、
 僕もまた驚き戸惑い、
 結婚式が終わるまで、
 きみのいる方に顔を向けることが
 できなかった。
 いつもの悪い癖だ。
 
 
           2

 ようやくきみと話すことができたのは、
 きみも僕も駅へと向かう帰り道でだった。
 
 その日既に2組の結婚式に参列し、
 次のアポイント場所へと向かうべく、
 30度に達する陽気の中、
 スーツ姿で駅へと急いだ。

 途中にある歩道橋で、
 先に式場を出ていたきみに追いつく。
 
 その少しやつれたように見える後ろ姿に
 懐かしい名前を呼んでみた。
 
 振り向くきみ。
 
 音信不通だった一年の月日が嘘のように、
 再会はあっけなく始まった。
 

      3

「あの時ね、いろんなことが限界だったの」
 言葉とは裏腹に、きみの表情は
 穏やかで、安らぎに満ちていた。
 
「それは…、絵を描くことでも癒せなかった?」
 
「ううん。
 それでずいぶん良くはなったの。
 いい出逢いにも恵まれてね」
 
「そう、それはよかった」

「キミィちゃんこそ、大丈夫だった?
 『助けてほしい』って最後のあれ、
 わたし、返事できなかったけど」
 
「ああ、あれなら、もういいの。
 もうどうしようもないから」
 
「そうなの?
 それって…私のことが関係している?」
 
「相変わらず、加害妄想強いね(藁
 関係ないから安心して。
 まあ、それについて話すと長くなるから」
 
「話せる範囲で簡潔に話してみて。
 どうかしたの?」
 
「そうだな…。実はね、」
 
 言葉数をそれほど重ねなくても、
 お互いの心の奥にあるものを
 短時間で引き出し、慮れる。
 
 きみの存在がどれほど大切だったのか。
 ふたりで改札を抜ける頃には、
 充分過ぎるほどに思い出していた。
 
 
        4
 
「こんなこと言っていいのか分からないけど」
 躊躇いながら、打ち明ける。
 
「きみへの恋愛感情はとうの昔に無くなっていたんだ」
 
「よかった」
 
「よかった?」
 
「だってさ、厄介じゃん」
 
「ほんと失礼だよな(藁」
 
 ふたりで
 笑いながら、電車に乗る。
 厄介というのがどういう意味かは
 きみのその顔を見れば分かる。

「僕としては罪悪感持ってしまったけどね。
 勝手に好きになって、勝手に冷めてしまうなんてさ…」
 
「そろそろ自分を責めること止めたら?
 …でも、それ止めたらキミィちゃんじゃなくなるか」

 これほど、僕のことを察することができる人が
 他にいるだろうか。
 返すのにうまい言葉はすぐに見つかりそうもないが、
 別れの時間はすぐ目前に迫っていた。
 
 
        5

「ずっとね、
 すっと謝りたかったんだ。
 …ごめんね」
 
「私も。
 …ごめんなさい」
 
「…」

「じゃ、ここで降りるから。
 じゃあね」
 
「じゃ、がんばってね」
 
「キミィちゃんは、がんばらないでね」
 
 ひとりで
 電車を降りるきみ。
 降りたホームのすぐ目の前に改札があった。
 計算してその車両に乗ったらしい。
 
 颯爽と改札を抜けていくきみ。
 電車のドアが閉まる。

 きみは振り返り、小さく手を振る。
 電車が発車する。
 くるりと家路へと向き直すきみ。
 
 「元気でね!またね!」
 きっと、あの時きみも心で呟いていたよね?

 連絡先も交換しなかったけど、
 またいつか逢えると確信しているのは、
 僕だけじゃないよね? 

 がんばらないよう、がんばるね。
 あれ?それじゃだめかな?
 
 ね、教えてよ。 
 
 
 
 
 
     この短編をcoffeeに捧ぐ
2007/5/30

透明な感触

 
薄れゆく記憶を辿り
必死で取り戻そうと


      何度も
   何度も
何度も


希求した感触は指先に



翳りゆく季節はめぐり
忘れかけた想いを


再び
  再び
    再び


次第に感触は透明に
2007/5/15

まことに美しき

石川啄木が札幌に訪れたのは
1907年。
ちょうど100年前のことだ。

啄木は「秋風記」に札幌の印象をこう記した。

「札幌は寔(まこと)に美しき北の都なり。
 初めて見たる我が喜びは何にか例へむ。
 アカシヤの並木を騒がせ、
 ポプラの葉を裏返して吹く風の冷たさ。

 札幌は秋風の国なり、木立の市なり。
 おほらかに静かにして、
 人の香よりは、樹の香こそ勝りたれ。
 大なる田舎町なり、
 しめやかなる恋の多くありさうなる郷なり、
 詩人の住むべき都会なり。」

 

 1世紀が過ぎた今の
 僕にとっても
 札幌はそのような
 場所であったように思う。



 多くを得
 多くを失った


 
 今は
 ようやく櫻が咲く頃だよね?


 札幌は寔に美しき北の都なり。 
2007/5/2

Un ange passe.

 
賑やかな中にも一瞬、
偶然に話し声や音楽などの一切が途切れ、
瞬時の静寂が訪れる間。






  「天使が通った」






フランスに於ける日常的な言い回しだ。



一瞬水を打ったようにシーンとなるのは、
神の御使いが、何かを告げるために
人々の語らいを阻み、沈黙させたため。


息を潜めて天使の存在を感じ取る。
沈黙は繊細さと優しさに溢れ、
崇高な高揚感を互いに共有させる。


程なく、何事も無かったかのように
誰言うとなく会話の口火を切り、
再び、安楽な境地へと誘(いざな)うのだ。


   
    沈黙の美学を興ずるのは
    なにも仏蘭西だけではない。


   
     手塚治虫が描いた
     "語らない"漢(をとこ)の美学は
     僕の理想形のひとつである
           
  
       
         「きみが好きだ。
     心から愛している!」

          「やっと
      言ってくださったのね…
      嬉しい!!」

           「どうしても
      言えなかった・・・・・・・」

           「先生
      キスして!
      お願い」



           「手術が終わったら
           この気持ちも
          かき消えてしまうのね」

          「いや
          そうじゃない。

          この瞬間は
         永遠なんだ」


                 ― 「The Encounter めぐり会い : BLACK JACK」
 
きみに読む物語
百年の孤独
ロリータ
ヴィルヘルム・マイスターの修業時代
カラマーゾフの兄弟
キャッチ=22
グレート・ギャツビー
マルタの鷹
ムーン・パレス
ユリシーズ
万延元年のフットボール
上田敏全訳詩集
作者 
十二夜
孤独な散歩者の夢想
富士
審判
小さき者へ・生れ出ずる悩み
怒りの葡萄
死霊
源にふれろ
異邦人
砂の女
紅楼夢
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紫苑物語
作者 
高慢と偏見
蜘蛛の糸/地獄変/邪宗門
蝿の王
郷愁―ペーター・カーメンチント
作者 
錦繍
作者 
響きと怒り
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イワン・イリッチの死
オウエンのために祈りを
春の雪
風立ちぬ・美しい村
作者 
作者 
SOFT ROCK The Ultimate
作者 
AOR
作者 
傷つくならば、それは「愛」ではない